フェリ磁性
Ferrimagnet


電子はそれ自身永久磁石であって磁気モーメントを持っている. このため原子も磁気モーメントを持つものがある. そのような磁性原子が,2組の結晶の副格子A,B上にあり, 図のように,それらA,Bの磁気モーメントが互いに逆向きになっているとき ,外部にはこの磁気モーメントの差に相当する自発磁化が生じる.



このような磁性をフェリ磁性という.
フェリ磁性は,分子式MFe24 (M=Mn,Fe,Co,Ni,...) を持つ化合物であるフェライトの強磁性の研究から,Neelによって 理論的に予言されたものである.
フェライトの結晶構造は,立方対称のスピネル方と呼ばれるもので 単位砲に8分子を含んでいる. スピネルとはMgAl24 という分子式を持つ鉱物で、 フェライトと同型の結晶である



フェライトで最もよく知られているのは, 磁鉄鉱と呼ばれるFe34 (FeO・Fe23)である.
このうち磁気モーメントを持つのは2価の鉄イオンと3価の鉄イオンである. しかし,3価の鉄イオンの磁気モーメントは互いに反平行となり,打ち消し合う.
よって2価の磁気モーメントだけが残り磁性に寄与する.< そのため全体として磁化が残り,強磁性的に振る舞う.
多くのフェライトは電気的に良導体ではなく, この性質は高周波トランスのコアなどに利用されている.


もう一つフェリ磁性を示す代表的な物質として 鉄ガーネットがある.
鉄ガーネット(ザクロ石)は立方晶系の絶縁性フェリ磁性体で, 化学式はM3Fe512である.
例えば,イットリウム鉄ガーネット(Y3Fe512) はYIGとして知られている.
YIGの全磁化は互いに反対を向いた3価鉄イオンの2種の 格子の合成として与えられる. 1化学式あたり5個の鉄イオンの中で d位置と言われる位置の3個の鉄イオンは一方向に磁化しており
a位置と言われる位置の残り2個の鉄イオンはそれと逆方向に 磁化しているので 結果的に鉄イオン1個分の磁気モーメントが残り これが磁性に寄与している.
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