− マイクロ波 (microwave) −
 
電磁波の一部のふつう電波とよばれる部分を波長順に右表に
示した。この一番波長の短い部分をマイクロ波という。ただ
「3GHzから30GHzまでがSHF帯」というふうにきちんとは定
義されていない。表中の単位でM(メガ)は10の6乗、G(ギガ)
は10の9乗を意味する。マイクロ波がどのような技術に使わ
れているか実例を次にあげる。

 ごく短時間だけパルス状に発信した強力なマイクロ波を送
り出し、その反射波が帰ってくるまでの時間とその方向から
電波を反射する物体の位置を見出すというようなレーダー技
術がある。レーダー技術は航空機を安全に離着陸させ運航さ
せる地上施設として、また航空機自身に積み込んで雲の中で
の衝突防止などで利用されている。また電波反射物の速度を
簡単にしかも正確に測定するドラップレーダーは自動車の速
度違反の取り締まりに利用されたり、プロ野球投手の球速測
定などで利用されている。
電子レンジもマイクロ波を用いていて、マイクロ波が水分を
含んだ物をその内部からあたためるという性質を利用したも
ので、木材その他の含水物の乾燥用として工業的にも利用さ
れている。

われわれの生活に最も深く結びついているマイクロ波技術は情報伝達の分野で見られる。マイクロ波は
直進するので、直接には見通し距離内の相手としか通信できないのだが、適当な反射器を使えば、必要
電力はきわめて小さくてよい。反射器の指向性が鋭ければ、不必要な所へエネルギーを散らさないので
使用する電力が少なくてすむわけである。見通しのきく山頂から山頂へと継いでいけば、混信のない良
質の情報伝達が可能であり、国内の電話がすべてダイヤル直通なのも、TV番組が全国ネットで放映で
きるのもマイクロ波による通信網が出来上がっているからである。また赤道上空に打ち上げられた静止
衛星を中継点に使って、地球規模での同時間情報伝達が可能になり、マイクロ波の周波数が高くて多く
の情報を盛り込めるという長所と相まって、これが世界中の家庭と家庭とを電話で直結したり、地球の
裏側の出来事を各家庭に実時間TV放映が可能になったのである。
 
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